本にしませんかと言われたら
手づくりの作家さんがテレビなんかで突然紹介されるケースがありますが、するといきなり様々なところからお声がかかります。
一緒に商売しないかとか、商品化しませんかとか、そんななかで本を作らないかという話もよくあります。
作家の作品紹介と共に手づくりのキットを一緒につけて売るという企画で、狙いは宝島社の雑誌みたいなやつです。
つまりどっちかというと本より一緒に同梱されているアイテムがメインの書籍です。
そんな感じで書籍化になった切り紙作家を知っています。
私は基本的には書籍の将来はとても暗いと見ているので、書籍になってもほとんど良いことはない、
だったらと、書籍とwebを組み合わせた企画を提案しました。
なによりもすでに作家のキット1品が1000円前後で販売されているのに、作品を5個、6個入れてこれを2000円前後の書籍にしてしまうというのは、あまりに不合理だったから。
どうせなら書籍からWEBへの誘導を行うことで、WEBでもキットを買ってもらえるような仕組みを作ることを提案したのです。
それともう一点は継続的に書籍が発行されることを狙いました。
例えば、恐竜シリーズ、野生動物シリーズ、仏像シリーズのようにシリーズ化していくという企画です。
WEBサイトでは書籍よりの大型の切り紙キットを販売することで価格も上がり利益もとれて、なにより書籍の出版が良いプロモーションになると思ったからです。
しかし、残念ながらこの企画は採用にならず結局、作家のキット作品が色々混ざった書籍に落ち着いたようです。
結果個別でキットを買うよりとても安く楽しめるというものになっていました。
少し想像力を働かせればわかるのですが、まず切り紙の本は本屋では売れません。
なぜならとてもマイナーな分野だからです。なら売れるとするならamazonのようなネットショップですが、これもいつもプロモーションがきちんとされていないと検索に引っかかるということはありません。
他の切り紙作家が一躍有名になる様な状況になると、同ジャンルの書籍として表示されるというチャンスがありますが、そのようなことはしょっちゅうはないのです。
テレビの影響は大きいことは認めますが、これは一時のものです。
だからネットでしっかりと継続的にプロモーションをする必要があるというのが私の持論です。
本が出たことで講師の依頼などでイベントに呼ばれて仕事が増えていればよいのですが、
最近の事情には疎いので、そうなっていることを祈るばかりです。