銅のフライパン

知り合いに鉄をつかってで造形をされる方が2人います。

お一人は大学も工業系の大学を出ていて、卒業後すぐに小さな工場を居抜きで手に入れてそこで、オブジェのような芸術的な鉄の造形を手がけておられました。

年齢から見ると、1990年代台だと思うのですが、その後建築関連の造形も始めて、2000年代には鉄や銅のフライパン等の家庭用品を制作するようになりました。

私が知り合ったのは京都の手作り市でフライパンを所狭しと並べておられました。そして当時の目玉商品が銅製のフライパンです。銅は熱伝導率が良いということで調理に適しています。しかし銅鍋はよく知られていますが、フライパンというのは珍しい。

お話を聞くとフライパンもすぐに全体に熱が均一に伝わるので繊細なオムレツなどの料理に向いているとのことです。

たまたま工場が近所であったことから工場にもお邪魔させていただき制作の様子も見せていただきました。

作業はまず銅の板を丸く切ることから始まります。ステンレスで制作された凹型の型に合わせて金槌でこの銅板を叩いていきます。そうです、最初からまったくの手づくりで制作される銅フライパンなのです。

切った銅板を型に沿うように金槌と木槌を使い分けながら成形していきます。

金槌を使って叩くと鉄が伸びてくれます、そして木槌でたたくと今度は鉄が縮むのだそうです。その性質を利用して型に合わせて銅板を叩き続けるのです。その時間40分。

最後に底部分を平らにする為に小さなタガネで仕上げます。あとはフライパンにするために持ち手をつければ完成です。

鉄のフライパンも制作されていますが、鉄の場合は鉄に熱を加えながら叩かないと整形できないそうです。

ネットでは手づくりのフライパンを制作している方を何人か見かけますが、一からまったくの手づくりというのはこの方だけのようです。

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